- タイトル:頭のいい人の思考プロセス―すぐに使える、図と論理の問題解決スキル
- 著者:リサ・J. シェインコフ(著)、Scheinkopf,Lisa J.(原著)、優子, 田村(翻訳)
- 出版社:PHP研究所
- 出版日:2004-06-01
ミニレビュー
『ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス』で紹介された、ゴールドラット博士の「思考プロセス」の解説書。
思考プロセスのステップと使われるツールの関係は、こうなっています。
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┃ ステップ │ ツール │思考パターン┃
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┃ │現実問題構造 │十分原因 ┃
┃何を変えるのか?│ツリー │ ┃
┃ ├───────┼──────┨
┠────────┤雲 │必要条件 ┃
┃ ├───────┼──────┨
┃何に変えるのか?│未来問題構造 │十分原因 ┃
┃ │ツリー │ ┃
┃ ├───────┼──────┨
┠────────┤前提条件ツリー│必要条件 ┃
┃どのように変化を├───────┼──────┨
┃起こすのか? │移行ツリー │十分原因 ┃
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(「はじめに」及び第10章から作成)
上記の5つのツールは、「十分原因」と「必要条件」という2種類の思考パターンに大別されます。それらのパターンとは何なのか、わたしの理解をまとめておくと:
十分原因:因果関係を徹底的に図に書き出すこと
必要条件:隠れた前提を見つけ、その代替案を考え出すこと
です。敢えて言えば、
十分原因が理詰めっぽい思考パターンで、
必要条件は多少の創造性を要求される思考パターン
という感じでしょうか。創造性というのは言い過ぎかもしれませんが、隠れた前提を見つけるとか、代替案を考えるというのは、要するにアイデアをひねり出す・ブレークスルーを生み出すプロセスの核心だと思います。
そのように理解して上図を眺めると、「思考プロセス」は理詰めの分析とブレークスルーが交互に噛み合わさっていて、美しいですね。
※本書は思考プロセスのステップ順でなく、上記の思考パターン別に章立てされているので、わたしのように『ザ・ゴール2』を読んだだけの人にとってはちょっと読みやすいとはいえない構成。
(参考)
『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』
『ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス』
『チェンジ・ザ・ルール!』
『クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?』