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なぜ働くのか―生死を見据えた『仕事の思想』


ミニレビュー

(田坂広志さんより寄贈いただきました。ありがとうございます。)

自分の余命があと一年だったら、というのはよくある問いです。そんなTVドラマもありました。

でも本当に本当にそうだったら。

夢に描いていたことや目標として据えていたことの多くを果たせぬまま死ぬとしたら、自分の人生には意味が無かったことになるのでしょうか。

そういうことを、わたし自身はあまり真剣に考えたことがありませんし、どちらかというと苦痛を避けるようにして考えるのを避けてきたほうですが、今回田坂さんにお会いして、それは逆らしいと気が付きました。

一度徹底的に考えてみる。答えを見出そうとして出来ず、本に頼って得られず、ついには、そうして問い続けること自体から「思想」が生まれ育つことを知る。それは、敢えて考えないようにし続けるよりも厳しいプロセスでありながら、同時に安らぎをもたらす。それが「腹が据わる」ということ。そんな風に理解しました。

別に精神世界の話ではありません。ビジネスマンの先輩が説く、現実に流されないためにおろすべき「錨」についての優しい解説書といった趣の本です。