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若きサムライたちへ―自分を生きる10のメッセージ


ミニレビュー

中谷巌さんは多摩大学学長、田坂広志さんは同大学大学院教授。この2人が大学生へのメッセージを語り合う対談集という格好になっています。もちろん社会人が読んでも身が引き締まる内容です。

新しい著作を刊行するときは、当然過去のものとの重複を避けますよね。しかし対談は話の流れのなかで、話者がその時「言いたい」と感じたことが出てくる。あれどこかで読んだな、という話がまた出てきたということは、それだけ話者の心の中に留まっている話なわけで、そういった意味では、特に田坂さんの、考え方のエッセンスを感じとることができます。

「いまの若い人を見ていると」という文言が何箇所か出てきますが、そういわれると読者はオープンに意見を受け容れる気持ちを失くしがちなもの。先生から若者へのメッセージという体裁でなく、学生や若手社会人がなすべきと思うことを容赦なく述べ立ててもらっていたら、さらに切れ味が増していたかなとも思いました。