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この世で一番の奇跡


ミニレビュー

わたしはオグ・マンディーノの作品を読んだことがなくて、最近たて続けに『人生は素晴らしいものだ』とこの本を読んだのですが、2冊とも実に「大人の童話」でした。

構成は『人生は素晴らしいものだ』と似ています。こちらは「神の覚え書」という30ページほどの文章がクライマックスで、それを読ませるために160ページの物語が前についています。

この「神の覚え書」は神からあなたへのメモという体裁なのですが、その中で、神様が「天使さえもっていない偉大な力をあなたにあたえました」と表現しているのが、人間の「選択する力」。考える力、愛する力、意志の力、創造する力、計画する力以上に、人間を人間たらしめているのがこの「選択する力」だというのです。「選択」は起-動線の中心的なテーマですので、とても勇気付けられる文章でした。

引用:

 

わたしはあなたに自分の運命の完璧な制御権をあたえました。自分の自由意志に相談して、あなた自身の性質を自分で決めるよう告げたのです。
(略)
今あなたは、自分の不運がわたしの意志ではなかったことを知っています。というのも、すべての力があなたの中に授けられているからです。人間性を拒否する行為や思考の蓄積はあなたのしていることであって、わたしのものではありません。

優しいようでいて、実は厳しいことを言っています。