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コンテキスト思考 論理を超える問題解決の技術

  • タイトル:コンテキスト思考
  • 著者:杉野 幹人(著)、内藤 純(著)
  • 出版社:東洋経済新報社
  • 出版日:2009-06-19

ミニレビュー

問題解決には、データなど目に見える情報(コンテンツ)だけに着目するのではなく、それを取り巻くコンテキストを取り入れるべし、というメッセージ。著者はコンテキストを以下の3つの要素に分けています。

  • Surrounding(環境):物理的に認識できない“関係性”
  • Soil(土壌):意思決定の評価軸となっている、企業や人に固有の“価値観”
  • Sun(太陽):共感の源である“目的”

コンテキスト思考の3Sフレームワーク*ListFreak

中身は「問題解決」そのもの。著者自ら「あとがき」で述べているように、問題解決の実務で行われていることです。でも、目に見えるコンテンツ/目に見えないコンテキストという切り口で整理したことで、新鮮な視点で学べます。こういう本の読者は類書にも目を通しているでしょうから、「仮説思考」(コンテキストから仮説を導いているのでは?)や「見える化」(コンテキストから得た仮説を裏付けるコンテンツを探すことでは?)といった、重なっているアプローチとの関係が分かるとなおよかった。

あと、論理的な思考をする人がコンテキストを注意深く排除するのには、それなりの理由があるはず。コンテキストを読むときのリスクや注意点も教えて欲しいな、と感じました。たとえば、著者は目に見える相関関係の背後にある因果関係というコンテキストを読めとアドバイスしてくれています。しかし、因果関係をモデル化することの困難さや危うさについてはあまり触れていません。

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