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EQ こころの鍛え方 行動を変え、成果を生み出す66の法則


ミニレビュー

言葉を鍛えることでもある

EQという概念を理解し、それを伸ばすための入門書。著者は「はじめに」でこの本を千本ノックにたとえています。

強く印象に残ったのは、「言葉」が大事だということです。言葉は思考のツールであるのみならず、感情を知り、コントロールするためにも使えます。

引用:

 人は何か物事を考えるとき「言葉」にして考えます。たとえば、悲しい気持ちのときは「悲しい」とか「辛い」という言葉を頭の中に思い浮かべて、自分の気持ちを確認します。つまり、感情を示す言葉をたくさん知れば知るほど、自分や相手の感情の状態をより正確にとらえることができるのです。

たとえば、自分の感情を知るトレーニングでは、「気持ちを表す「言葉」をできるだけたくさん知る」「自分のいまの気持ちを言葉にしてみよう」というものがあります。さらには、100の「明るい言葉」や「誉める言葉」「励ます言葉」などを自分のものにしようといった、語彙を増やすこともトレーニングとして提案されています。

「励ます言葉」を100個と言われても、とても思いつけません。著者は数十の例を挙げた後、名言集などを使って自分なりの「励ます言葉」を増やしていこう、とヒントをくれます。

さて、そのようにして鍛えるべきEQとは何か。詳しくは本書に譲り、EQを構成する4つの能力を引用しておきます。わたしにはこの識別→利用→理解→調整という順番が直感的には分かりづらいのですが、本書では事例を通じてこの4つの能力がこの順番で使われて効果的な行動につながる様子が説明されています。

【感情の識別】 自分自身の感情や、周囲の人たちがどのように感じているかを知覚し、識別する能力。
【感情の利用】 状況判断や課題達成の為に自分の感情をつくりだしたり、相手に共感する事ができる能力。
【感情の理解】 自分や他者にその感情がなぜ起きて、どのように変化するかを理解する能力。
【感情の調整】 他者の感情に適切かつ効果的に働きかける行動をとるために、自分の感情を調整したり、操作する能力。

コンセプトノート