ミニレビュー
図書館で借りて読みましたが、買って手元に置いておこうと思いました。内容はタイトルのごとく、(組織で)問題解決に取り組むときに求められるファシリテーションのやり方についてまとめられています。
分かりやすい章立て、的確な図解、豊富な演習、充実した引用文献・索引など、本としての完成度が高くて教科書的な価値が高い本です。
ビジネスパーソンをターゲットにしつつ、地域振興などの社会活動の事例が多く集められているところも特徴です。その辺りの著者の熱い思いを「おわりに」から引用しておきます。
引用:
今まちづくりやNPOの分野では、多様な意見をまとめあげ、組織をリードしていける人材が不足しており、それが活動の発展に向けての一つの足かせになっている。ビジネスの世界では、高い問題解決能力とコミュニケーション能力を培った人材が豊富なのだが、仕事ができる人ほど社会活動への関心が薄く、この分野に手を染める経営コンサルタントもごくわずかである。
しかしながら、社会の要請に応え、ビジネス以外でも社会的な責任を果たしてこそ、一人前の社会人と呼べるのではないだろうか。(略)
また、このような活動に足を踏み入れると、ビジネスのやり方がそのままでは通用せず、長年積み上げてきた仕事のスキルが、企業を中心とするごく限られた範囲でしか使えないことを痛感するはずだ。
…という思いに応えて、あえてこのカテゴリに。
#いま講師を務めているグロービスというビジネススクールでクラスの進行をお手伝いいただいた吉田さん(カタライザー)にご紹介いただきました。感謝。