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「本の定番」ブックガイド―アナタが読むべき名著が一目でわかる


ミニレビュー

大きく専門編と雑学編に分かれています。章立てを紹介すると中身の予測がつくかもしれません。

専門編は、哲学・文学・歴史・政治・社会と人類・経済・心理・情報・生命・環境と福祉。

雑学編は、成功のすすめ・学問のすすめ・新書で武装・仕事=勉強術の本・小説・書物を「先生」とする効用について。

上記の各章10ページ強で、「この領域で読むべき本・注目すべき人」をコンパクトに紹介しています。ブックガイドには読者投票のようなものもありますが、この本のように著者がある意図を持って目利きをした案内というのも楽しいですね。

その「意図」というのは、

引用:

 「専門」に進もうと思っている人に、これは読んだら役に立つ、と思える本の「メニュー」(定番)を提示してほしい。対象は、学生、ビジネスマン・ウーマンを問わない。
 これが、ひさしぶりにあった編集者の口から出た注文でした。
(「あとがき」より)

ということです。つまりは若い社会人向けなんですが、選ばなかった「専門」についてパッと俯瞰するとか、あるいは進まなかった「道」に思いを馳せるとか、よほど博識な方を除いて、本好きならかなり楽しめるのではないでしょうか。

また本の紹介が上手なのでいろいろ読みたくなってしまいます。いくつか興味を引かれた本から紹介部分を選りすぐってみました。

引用:

木田元『反哲学史』

書名の『反哲学史』というのは奇妙に聞こえるかもしれません。しかし、二五〇〇年以上にわたって続けられてきた「哲学」という知的営みを、「現在」という地点から新しく読み直す、きわめて学問的冒険心にとんだ試みです。個性的ですが、学問上の正統をきちんと踏まえたものです。

引用:

幸田露伴『努力論』

 「成功論」でこの本に勝るものはない、特に学術研究者にとっては。これが私のこの本に対する「評価」です。

引用:

本多静六『自分を生かす人生』

 本多博士は、金儲けに血道を上げたのではありません。「人生の最大幸福は職業の道楽化にある」と断じます。好きでこそ学問です。その学問に血道を上げたのです。血道を上げることができたのは、しかし、「蓄財能力」があったからです。