カテゴリー
資料

ファシリテーターの道具箱―組織の問題解決に使えるパワーツール49


ミニレビュー

なるほど「道具箱」だ

ファシリテーションのツールが49個、見開き単位で紹介されています。左側に使い方や例が、右側には図が、それぞれあります。事前の設計時にはパラパラとめくりながら右側のページだけを見ていっても、何かヒントが得られそうです。一読して気に入りました。

通常、道具箱には解説書は付いてきません。便利なツールが入っていても、使い方が分からなければ宝の持ち腐れです。どのように使いこなすかは、使う人次第。

そういった意味でもこの本は「道具箱」的です。49のツールを三つのカテゴリに分けたうえで、それぞれに「使い方」−「使用例」−「さらに使いこなすためのヒント」を書いてくれています。ただし、それだけで即座に使えるというわけではありませんので、それぞれの目的や使いどころを意識して、手持ちのツールを少しずつ増やしていくつもりで付き合うのがよさそうな本です。

そのようにして使い得るツールが49もあるというのは、会議の進行役をする必要のあるすべての人にとって心強いですね。これからファシリテーションを学ぼうという方はファシリテーションの入門書と併せて読まれると、この本によって具体的なイメージが沸きますので、相乗効果があると思います。

個人的に気に入ったのは「できることに集中させよう!」というツール。問題を「自分たちでコントロールできる問題」と「自分たちではコントロールできない問題」に分けて書き出すというシンプルなもの。愚痴っぽくなりそうな時にはこうやって問題意識を吐き出しておくのが有効そうです。特に「自分たちではコントロールできない問題」を書き出しておけば、話の堂々巡りも防げそう。

(参考)
代表的な「集団思考の落とし穴」 – *ListFreak

リスト (from *ListFreak)