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世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく


ミニレビュー

ときどき「これは学校で習っておきたかったよね」という話になるテーマがあります。わたしの経験では、そのトップ2は「資産形成」と「問題解決」です。前者のほうはいくつか試みがありますが、後者をやさしく解説する本はほとんど無かったと思います。

内容は、いわゆるマッキンゼー式と言われる、ビジネスの世界では汎用的に使われている問題解決のプロセスの、かなりストレートな子供版です。かなりストレートと書いたのは、題材や言葉尻こそやさしいですが、「原因を見極める」「最適な打ち手」「仮説」「分析」「実行プラン」といった問題解決業界(?)の言葉がそのまま持ち込まれているからです。こういった言葉の使い方も含めて学ぶ本なのかもしれませんし、実はひそかに社会人の読者を意識しているのかもしれませんね。「自分の頭で考え、次の一歩を決めて、どんどん進んでいこう」という前向きなメッセージにあふれた本です。

本で紹介されている問題解決のステップについて敢えて蛇足を加えるとすれば、原因を急いで追及せず、じっくり観察するステップを重視して欲しいと思います。来場者の低迷に悩むバンド「キノコLovers」の例題であれば、頭の中だけの仮説に基づいてアンケートを取る前に、コンサート来場者の比率は、先生と生徒で違いがあるか?生徒なら男女別に見ると?学年別に見ると? といったことを思い出す(あるいは次回観察してみる)ことで、よりよい仮説が見つかる可能性があります。