ミニレビュー
トリンプ・インターナショナル・ジャパンの社長として「早朝会議」や「がんばるタイム」、「残業禁止」など生産性を高めるユニークな施策を打ち出していた吉越浩一郎氏の仕事術。「はじめに」で、自らまとめを書かれていますので、それをお借りします。
引用:
整理すると、この本のポイントは次の二つだけである。
デッドライン仕事術の二つのポイント
(1) 毎日、「お尻の時間」を決めて仕事をする(ダラダラ残業禁止)
(2) すべての仕事に「締切日」を入れる
この二つは、「就業時間も仕事も、すべて締切を設定する」と一つにして言い換えることもできる。(p8)
ただし、本書の内容はそれだけに留まるものではありません。時間を有効に使い、生産性を高め、意志決定の質を高めるための著者の考えや実践の成果が幅広く紹介されています。
著者は日本のホワイトカラーの生産性が低い理由を三つにまとめています。
1. 必要のない仕事を一生懸命にやっている
2. 「ワイガヤ」は集中力を奪うだけ
3. 「判断」の遅い企業は、日常業務も間延びする
わたしも、限られた期間ではありますが、複数の国や企業で働いた経験から、上記の指摘は的を射ていると感じました。そこで上記を裏返して、生産性向上のための3つのコツを考えてみました。
1. 期待している成果を明確にした上で、必要な仕事に集中する。
2. まず、独りで集中して取り組む。自立できない個人が集まっても相乗効果は期待できない。
3. 「100%の正解」を求めない。問題を前にして立ちすくまず、細分化してできるところから手を付けていく。