ミニレビュー
本書をまとめると、
・現代人はシゾフレ人間かメランコ人間かのどちらかである
・1965年生まれ以降はシゾフレ人間化率が上昇傾向にある
・それぞれにあわせた売り方がある。特にメガヒットを目指すならシゾフレ人間をターゲットとせよ
という感じです。
このシゾフレ・メランコとは何か。著者のホームページから引用します。
人間は大きく、心の主役が他者である「シゾフレ人間(分裂病型人間)」と、心の主役が自分である「メランコ人間(躁鬱病型人間)」とに分けられるというのが、和田秀樹独自の理論です。
それぞれの特徴を簡単に述べると、メランコ人間は、進んで努力をし、失敗したら自分を責めるというが主流です。そして、シゾフレ型人間は、おもに周囲に合わせて広く浅くの人間関係を築き、失敗しても運が悪かったと簡単にあきらめる特徴があります。
(ココロクリニカ[よくある質問と回答(FAQ)])
分裂気質と躁鬱気質に二分するというアイディアは以前からあったような気もしますね。とにかく本書の前半で説明されている社会の(とりわけ若年層の)シゾフレ化という主張は納得感が高いので、なるほどなるほどと読み進められます。起-動線はメランコ系サイトだと思いますが、わたし自身はシゾフレ世代の最初のほうにいることになっているので、よけいに興味深かったのかも。
ただ、「バカ売れ」というタイトルに沿った内容は全6章のうち最初の3章まで。
4章以降は
第4章 未熟なまま成長するシゾフレ人間
第5章 売れない時代のマネージメント術
第6章 日本経済は復活できるか
このような感じで、シゾフレ人間の解説、職場におけるシゾフレ人間との関係構築、そして日本経済の復活にはシゾフレに振れ過ぎた社会のメランコ化が必要だという内容になっています。話題はやや拡散していくものの、内容そのものがつまらなくなるということではありません。
ちなみに、私が読んだのはA5版ですが文庫化されています。わたしが読んだのがA5版で、かつAmazonの書評もA5版のほうにしか付いていなかったのでそちらにリンクを張りました。文庫版はこちら。