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「儲かる仕組み」をつくりなさい—-落ちこぼれ企業が「勝ち残る」ために


ミニレビュー

引用:

 これは換言すれば、「社長のコピーを何人作れるか」が人材教育のミッションということでもある。実際、社長のコピーがいればいるほど組織は堅牢になっていきます。中小企業の場合は特にそうです。(p23)

たとえばこんな部分だけ読むと、社員として働く身としてはちょっと反発を感じるかもしれません。しかし、良くも悪くも文鎮型組織になっている日本の中小零細企業についてはとてもよく当てはまる話だと思いました。僕の見聞はかなり限られていますが、その中でいえば、中小企業というものは、「文章化された理念」を共有しているというよりは、「ウチの社長」でまとまっているケースの方が多いと感じます(著者の会社は360人も社員がおり、こういったスタイルでやっている会社としてはむしろ大きな部類にはいるのではないでしょうか)。

あるいはナレッジ共有の仕組み作り。

引用:

わが社には自発的に物事に取り組む殊勝な心がけを持った社員は一人もいません。当然、強制的にやらせる仕組みが必要です。それが社長・幹部の前で、定期的に発表させることなのです。(p174)

社員の自発性を高めるのが社長の仕事ではないのかといえばその通りなのですが、ただ自発的に動いてくれるのを待つだけでなく、仕組みを作って促していこうという姿勢が見えます。ここで紹介されていた「ピボット分析大会」という社内イベントは面白そうでした。

引用:

発表者はデータベースに蓄積されたお客様情報・クレーム情報・販売実績などをピボット分析し、傾向や問題点を洗い出します。その着眼点やプレゼンテーションのレベルを競い合うのです。発表者を含む全参加者には一人に二票が与えられ、投票によって優勝が決まります。

上記のような、組織作りのヒントになる具体的な事例が数多くあります。なお、もともとは日経BP社のWebサイトで連載されていた『心を豊かにするIT』がベースということで、特に後半はIT活用の話が多くなっています。