ミニレビュー
著者の梅田望夫が、「砂漠で砂金を探す」がごとくして集めた金言とその解説。氏の文章はかなり前から楽しみに読んでいましたので、期待していた一冊でした。
その意味では、誰かの金言の解説でない「まえがき」から一番刺激を受けたような気がします。
引用:
私はひたすら、ビジョナリーたちの切れ味の良い言葉を探しては考える、ということをずっと繰り返してきました。日々の仕事での経験にビジョナリーたちの言葉を照射しては、変化の予兆をとらえようとしてきました。これが、今も続けている私の勉強法の核心なのです。
引用:
言葉の力はおそろしいものです。毎日毎日、心が萎えるような言葉をシャワーのように浴びるのと、オプティミズムにあふれた未来志向のわくわくする言葉に勇気付けられるのとでは、同じ人でもまったく違う人生が広がる。そんな思いを改めて強くしました。
僭越ながら、わたしが”*ListFreak“でリストを収集・共有している理由と、『リストのチカラ』を上梓したいと思った理由の半分がここにあると感じました。もう半分は、こういった言葉をアレンジしながら自分なりの金言を蓄えていこうというメッセージなのですが、その素材集としてもいいですね。
著者の仕事柄、金言の主はIT業界の方々ばかりです。言葉の主の人となりを多少なりとも知っている方が楽しめるとすれば、やはりIT業界に近い方の方が楽しめる本ではあると思います。