ミニレビュー
英語版『生協の白石さん』
図書館でたまたま出会い、一読して
「これは英語版『生協の白石さん』だ!」と借り出して一気に読了。面白かった。
NHKの「ラジオ英会話」などで講師を務めていた著者が、番組に寄せられた質問への回答をまとめた本。読者の真剣な質問をユーモラスに受け止め、多くの場合、なぜかおやじギャグで締めくくります。例えば下記。
引用:
[Q]You know.ってどういう意味ですか?
会話の中でよく、You know.と言いますが、あれは「あんた知ってるだろ」みたいな意味なのですか?(略)どんな感じで使うのですか?[A]ほとんどの場合は単なる口癖です
(解説があって…)しかし、ほとんどの場合は単なる口癖と見たほうがよいでしょう。あまりYou know.を連発すると有能(ユーノー)な人ではなく、無能(ムノー)な人と思われる恐れがありますから気をつけてください。ましてや無理に使うのはやめましょう。
あるいはFとVの違いについて。どう発音し分けたらよいか、箇条書きで質問を重ねた上で「道行く外国の人に思わず教えてくださいと頼みたくなってしまうのです」とまで思い詰めた、長い質問に対して、
「積年の思いを今はらすといった感じですね。」
と返す(この後にちゃんとしたアドバイスが続きます、念のため)。
英語に堪能な方ならご存じのことが多いと思いますが、内容もさることながら、『生協の白石さん』同様に文章の話術のようなものが楽しめます。