カテゴリー
資料

理科系の作文技術


ミニレビュー

日本人の著者による実用文の作成マニュアルとして、おそらく最も有名な本でしょう。1981年初版。
メッセージを明確にする(目標規定文)、大事なことを前に持ってくる(重点先行主義)、1トピック1パラグラフ、パラグラフの先頭にはトピック・センテンスを置く…こういった、実用文(論文やビジネス文書)を構成する上で現在主流となっている考え方は、すべてこの本に盛り込まれています。

敢えて実用文の作成マニュアルと書きましたが、内容はタイトルの通り「理科系の」作文技術。特に論文のような正確な記述が求められる文章の構成を考えるときに大いに参考になります。

例えば、事実と意見を意識して書き分けること。一般のビジネス文書でも「意識せよ」とは言われていますが、この本ではそのあたりの解説が充実しています。

ちなみに「意見」にはどのようなものがあるかというと:
・推論(inference)
・判断(judgement)
・意見(opinion)
 ├・根拠のある意見(sound opinion)
 └・根拠薄弱な意見(unsound opinion)
・確信(conviction)
・仮説(hypothesis)
 仮の意見。正統な手続きによって証明されれば<理論>となる。
・理論(theory)
 証明されそうな事実が相当にあるが、まだ万人にそれを容認させる域には
 達していない<仮説>。
 すべての人が容認せざるを得ないほど十分な根拠のある理論は
 <法則>(law)と呼ばれ、これは意見ではなく事実のカテゴリーに分類される。