ミニレビュー
「おわりに」の最後まで読んで、初めて『偶然のチカラ』の著者であったことに気づきました。そういえばタイトルも似てますね。
生きるチカラといっても、そこに「力」みはありません。余分なチカラが抜け、現状肯定的なチカラが沸いてくるといった感じでした。
気に入った文章をメモしておきます。
引用:
なにより、老いのもっともすぐれた点は、その人が持っている能力をだれにも簡単には譲り渡せないということではないかと思う。どんなにすごい才能があっても、その人が死ねばすべてが無に帰するという潔さ。それこそ人間のもっともすぐれた特性の一つではないかと思われる。
たしかに、誰しもゼロからスタートして、いろいろ蓄えて、死んだらそこで終わり。その人のチカラはその人限り。でも(遺したければ)遺せるものはあるかもしれない。誰もが平等に持つこの一回性にいろんな面白さが詰まっているように思います。