起業について指南する本は、有名な神田昌典氏や本田健氏のものをはじめ、今では非常に数多く出回っています。僕もいい加減食傷気味だったので、最初はあまり食指が動きませんでした。
しかし、楽天日記で、吉岡マコさんという方が、この著者の紹介をされていたときに、起業を家庭の問題とのバランスに配慮しつつ成し遂げた方とされていたことや、上原一徳さんの日記で絶賛されていたことから、ついに心を動かされて、この本を買いました。
ちなみに、この作者も、楽天広場で一人社長モティベーターというハンドル名で、日記を書かれています。
アマゾンの書評の一つに、「ノウハウが神田氏のパクリだ」というものがありましたが、たしかに、後半の「ノウハウ」を集めた部分は、これまでにも他の本で見かけたものが多かったと思います。
しかし、僕にはこの本の最大のキモは、起業に伴う心理的不安や、家族を含めた回りの反対を、いかにクリアするかという、これまでの「起業本」では、ほとんど触れられていなかったテーマを、第4章と第5章とで真正面から問題として取り上げて、作者なりの回答を示してくれた点にあると思います。
これまでの起業本では、「決断しなさい」というだけで、それが不安でできないから困っているとか、「家族の不安をどうするのか」といった、サラリーマンが起業しようとしたときに生じる、ある意味一番切実なテーマについて、ほとんど述べられていませんでした。僕の知る限り、現時点では、この本がそれが書かれている唯一のものです。
儲けるためのノウハウは、実際に始めてしまえば、むしろ後付でも、自分の工夫ででも何とかなると思います。一番重要な「始めるための心理的な壁」に対する対処法を書いたこの本は、画期的なものだと思います。
起-動線会員の方には、ぜひご一読をお勧めします。