Wisdom Access Question(WAQ) = 「叡智を引き出す問い」とでも訳しましょうか。これは先日のイベントでコーチのkikiさんから教わった言葉です。
魅力的な言葉でしたので調べてみたところ、英語ですがよいコラムがありましたのでご紹介します。
> Ask What, Not Why
このコラムはローラ・バーマン フォートガング(Laura Berman Fortgang)という人が自著“Living Your Best Life: Ten Strategies for Getting from Where You Are to Where You’re Meant to Be”の紹介を兼ねて書いたものです(この方の著書で日本語に訳されているものとしては、『なぜこの人ばかり出世するのか』があります)。
“Why”でなく”What”で問いを立てるというのがWAQのポイントで、コラムにはその理由や使い方が書かれていますが、まず5W1Hで始まるような質問を2つに分類しているところが面白いと感じました。すなわち情報収集のための問い(information question)と解答を引き出す問い(Wisdom Access Question)です。
“What” questions force you to be specific in your query and being specific leads to solution and awareness; on the other hand, asking “Why?” leaves you with only the question.
(”What”の問いはあなたの質問を具体的にして、解決策・気づきへと導いてくれる。一方”Why”はあなたをどこへも連れていかない。)
普通の質問を、”What”を使ってWisdom Access Questionに言い換えた例が10個ほど挙げられていましたので、3つだけ訳してみます。
Why is this happening to me?(どうしてこんな目に遭うんだろう?)
→ What do I need to get through this?(これを切り抜けるために何をすることが必要だろうか?)
Why did she say that?(どうして彼女はあんなことを言ったんだろう?)
→ What could have made her say that?(何が彼女にあんなことを言わせたんだろう?)
Whose fault was it?(誰の失敗だ?)
→ What is the solution?(何が解決策なんだろう?)
意図はよく分かりますね。日本語でやると直訳調になってしまってぎこちないですが、要するに
・質問の方向を後ろ向きではなく前向きにセットする
・答えが名詞になるような質問にする
この2点が満たされる質問をしよう、ということだと理解しました。
コラムの後段に「大事なことは言葉ではなく、答えを見出そうという意志である」という意味の文章があります。
前向きな意志を持っていれば、自らに投げる問いも自然とWAQになっていくでしょう。でも常にそういうモードでいられるものでもありません。そういうときには言葉をきっかけにして自分のモードを変えていく。そのツールとしてWAQというものがあることは、覚えておいて損はないでしょう。