カテゴリー
コンセプトノート

068. 「時間が無い」と言わないで過ごしてみると

「ちょっといま時間が無いんですよね・・・」
と誰かに言ったことのない方はいないでしょう。

友人の誘いを断るとき、子どもが「遊ぼう」というのを振り切るとき、いろんな状況でむしろ便利に使っている言葉です。

本当に、時間さえあれば是非お付き合いしたい、出てみたい。
だけど時間が無いから泣く泣く断る。

しかし、この言い方はよく考えてみるとなにかおかしい。
おかしいというか、意識的に言葉が省略されています。

1日24時間は誰にも平等に与えられているので、時間が無いとはいっても
「僕には1日20時間しか無いんです。だからあなたとは時間の重みが違うんです」
ということではないですよね。「時間が無い」ということは「1日24時間あるけれど、あなたの依頼に割く時間が無い」ということです。

ということはさらに優先度の高いことがある、つまり緊急なことか重要なことかのどちらかがあるということです。

先約があるから断る、という場合もあります。でもこれも優先度の問題です。先約の相手に不義理をしてでも誘いに応じたい場合もあるわけです。

・・・ということで、ここのところ

 お誘いを断るときに、「時間が無い」「先約がある」と言わない

というミニチャレンジを自分に課しておりました。

最初は大変でした。というのは、毎回

「時間が無い?オレの誘いより大事なことがあるってこと?」
「いやそういうわけでもないんですけど、その日は東京に出てくるのが大変だしホラ・・・」

みたいな仮想問答を一瞬のうちに乗り越えて、角の立たない適切な答えを返さなければならないからで、「時間が無い」と言わない、ただそれだけで自分の行動の優先順位をここまで意識することになるとは思いませんでした。

聞かれて慌てないために、自然と一つ一つの予定の意味を予め考えるようになります。
「このミーティング動かせないの?」
「この日は東京に出て来れないの?」
という(仮想の)質問が来ても、
「このミーティングの結果を受けてこれをやりたいので」
「この日はこういうことをやりたいので」
とすぐに答えられるようになってきます。

これはなかなか気持ちがいいですよ。