偶然、”Ethical Will”という言葉を知りました。これは、法的な遺言状とは別に書く、個人的な遺言状のこと。ユダヤ教の伝統(来し方を振り返って”Zevaoth”という文書をしたためる)から来ているそうです。
※ “Ethical Will”を直訳すれば「倫理的遺言状」「道徳的遺言状」ですが、これではお行儀が良すぎる印象を受けます。いわゆる「遺言状(Will)」は法的な文書であるのに対し、その拘束を受けない「法的でない遺言状(Non-legal Will)」という意味合いを出すために、「個人的な遺言」という訳語を作りました。
Ethical Willはごく親しい人(典型的には自分の子ども)に向けた親書です。もちろんフォーマットは決まっていません。価値観・信条、自分が大事にしてきたもの・こと、得た教訓、家訓、口に出せなかった感謝や謝罪の言葉など、自由に書きます。
これを書く意味は何なのか、説教じみてしまいそうなのでくだくだしくは書きませんが、個人の「よい意志決定」にも役立つ文書になるでしょうね。
形式や内容は自由と書きました。それでも手掛かりはあったほうが嬉しいので、ネットを検索してそれらしい記事を見つけました。下に翻訳・引用しておきます。
- 価値観。困難な決断に際してそれらを役立てた例。
- 愛している人から学んだこと。両親・伴侶・子ども・友人など。
- 未来への希望。
- 助言。
- 重要だったできごと。
- 言っておきたいこと。愛・感謝・賞賛・許しなど。
- お気に入り。本・映画・歌・引用・旅行先など。
Ethical Will(個人的な遺言)に書くこと – *ListFreak
(Reintroducing The Ethical Will – Law Trends and News – ABA General Practice, Solo and Small Firm Division より)
(参考)
そういえば日本でも「エンディングノート」という言葉がありました。Amazonで「エンディングノート」「自分ノート」を検索すると、似た概念の文書がけっこう出てきます。