カテゴリー
コンセプトノート

230. 自分で風を起こす

前回のコンセプトノートにいただいた感想の中に
「舵を切る」という言葉を発見して、ヨットの練習に
明け暮れていたときのことを思い出しました。

ヨットは帆に風を受けて進みます。
だから沖に出てから凪いでしまうと、困ったことになります。
風が無いと、いくら舵を切っても進みません。
実際には舵をキコキコと動かすと、風呂に浮かべて
遊ぶゼンマイ仕掛けのオモチャのごとく多少は前に進みますが、
速度は微々たるものです。

そういうときはどうするか?
扇いだりフーフーしたりしても効果はありません。
作用・反作用の法則というやつで推進力にはなりませんし、
そもそもそんな微風では動きません。

そういうときは、しばらく「風待ち」をします。
要するに、ただ浮かんで風を待ちます。

それでも風が吹きそうにないとなると、
船を大きく揺すって、自ら風を起こします。
それでも大した速度は出ませんが、とにかく
船をドタバタと揺すって、舵もキコキコと動かして、
どうにかして風の吹いている場所をめざしました
(ちなみにこれはレースでは違反※です)。

凪いでしまったら、風待ちをする。
それでもダメそうなら、ドタバタキコキコと動く。

最近「風待ち」状態になっているいくつかの仕事も、
ドタバタキコキコの余地を探してみよう。

(※)違反か否か、どこまで許されるかは大会の運営規則によるでしょう