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コンセプトノート

118. 目標設定に活かす「道案内のコツ」

あなたが友人を自宅に招くために、自宅までの道順を電話で説明しているとします。ふつう、
「○○駅を降りて左に曲がって最初の角を右に曲がって3分くらい歩いて青い屋根の家が見えたら左側に一方通行の道があるからそこを入って右側の3軒目…」などと言いますね。

そのときに一言添えるとよいのは、
「××が見えたら行き過ぎだからね」
という情報。

「情報建築家」のリチャード・ワーマンは、指示に「失敗」を含めることの重要性をこう語っています:

これ(引用者注:失敗のこと)が指示に欠落していることは多い。しかし指示に従う人の立場から見れば、フラストレーションを軽減するのにもっとも効果を発揮するのはこの要素なのだ。
『理解の秘密―マジカル・インストラクション』

『決断の法則 ― 人はどのようにして意思決定するのか?』でも同様に、指示の要素として「反目標(望ましくない結果)」が含められています。望ましくない結果を伝えることで、指示者が何を望んでいるかがより明確になるからです。

この「指示には失敗を含める」という知恵は、自分自身のチャレンジにも活かせます。

目標を立てるとは、「望む地点に向かって自分が自分に指示を出す」こと。そのとき「望んでいないこと」もセットで考えておけば、うっかり行き過ぎたり道を逸れたりすることが少なくなりそうですね。