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コンセプトノート

209. 売り手良し、買い手良し、○○良し

  1. 謙虚さ……偉大な思想を学び、それらの思想を背景とすることで、自分自身や自己の仕事を過大評価しない態度を保つ。
  2. 人間性……人間の本質に対するより深い理解を得る。
  3. 柔軟性……日進月歩の科学に囲まれた社会に住むわれわれは、さまざまな場で、新しい考えや技術を見つける必要性に直面する。
  4. 批判精神……さまざまな事象に対する多様なアプローチの可能性を知ることで、これまでに得た知識や自己の理解を批判的に考察し直す。
  5. 広い視野……広く深く学問を学ぶことはむずかしくても、幅広く学問を学ぶことで、自らの体験をより広い視野から考える。
  6. 倫理的・道徳的問題の理解……さまざまな場で求められる行動や意志の決定に関して、倫理的・道徳的な問題としてとらえる。古典と自らの思考の経験によって、知識と経験に基づく判断力を活用する。

「教養のある人」の6つの資質*ListFreak

『クリティカル・シンキングと教育』という本より引用しました。ハーバード・カレッジの学長を務めたヘンリー・ロソブスキー(Henry Rosovsky)氏が、大学における教養課程の目標として、上記の資質の涵養を挙げたそうです。

どれも重要だと思いますが、とりわけ最後の項目に注目したいと思います。個人として、あるいは組織人として行っていく選択に、倫理的・道徳的な視点を加える。この倫理観・道徳観は、おもに古典と内省によって育まれると理解しました。

そこで思い出されるのが、近江商人の「三方良し」すなわち「売り手良し、買い手良し、世間良し」というモットー。古典であり、商人の内省基準でもあります。

「自分良し」でなく「世間良し」としたところに、商人の倫理を感じますね。