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コンセプトノート

192. 個人の「志」と「社会」をつなぐもの

今週、STYLEという社会起業向けのビジネスプランコンテストの
交流会に顔を出しました)。

そこで、先日コンセプトノートに書いた下記の「心得」について、
すこし深く考えるヒントをもらいました。

社会に果たしたい、自分のミッションを持つ
仕事のポートフォリオを貫くのは、自分なりのテーマ。
それは、「社会に果たしたい、自分のミッション」。
所属している組織の理念とは別に、自分のミッションを言えるだろうか。
「マインドの時代」に生きる社会人の心得』

社会起業をどう評価するか

通常のビジネスプランコンテストでは

・事業モデル 〜 Business Model

が評価されます。社会起業というのは社会的な課題が対象なので

・事業モデル 〜 Sustainability / Business Model
・社会性 〜 Social Impact

も評価されます。「社会的」な課題というくらいですから、
典型的には教育や福祉や環境など「大きな」課題です。
最終的にはとても大勢の人を動かす必要があります。
それを独り、せいぜい数人の起業家が取り組もうという。
そこで問われるのが、個人。

独りでは決してできないことに挑戦する「心意気」。
でも、独りでもやり抜こうという「覚悟」。

これを加えると、下記のようになります。

・アントレプレナーシップ(個人) 〜 Entrepreneurship
・事業モデル 〜 Business Model
・社会性 〜 Social Impact

ただし、起業家がどんなに高い志を持っていたとしても、
それだけで社会が動くわけではありません。

個人の「志」と「社会」をつなぐものは何かといえば、それは「共感」。
単なる義憤や、単なるWin-Winモデルでは、人の共感は呼べません。

1.アントレプレナーシップ(個人) 〜 Entrepreneurship
2.共感性 〜 Compassion
3.事業モデル 〜 Sustainability / Business Model
4.社会性 〜 Social Impact

これが現在のSTYLEの評価基準です。社会的・経済的に維持可能な事業のエンジンとして「共感」に着目し、評価基準に加えたところがSTYLEの先進性であり、注目を集めている理由だと思います。プロデューサーの井上 英之さんは「共感資本主義」という言葉を使われていました。

真に個人的な思いこそが社会性のあるメッセージになる

ではどうすれば「共感」されるメッセージになるのか。
正義感に訴える?お涙頂戴?すべてうまくいきません。

上で「人を動かす」と書きましたが、実はその発想が、
「共感させよう」という思いが、共感性を下げてしまうのです。

過去にブラッシュアップメンターという役割でSTYLEに
参加させていただいて学んだことは、
「真に個人的な思いこそが社会性のあるメッセージになる」
ということ。逆説的ですがそう思います。

なぜ、他でもない「それ」なのか。
なぜ、それをやるのが、他でもない「私」なのか。

それがかならず聞き手の共感を呼ぶとは限りませんが、
個人的なストーリーをしっかり固めることが
最初の一歩であることは、間違いないと考えています。