知識社会においては、「専門的な知識」だけを身につけた「知識労働者」(ナレッジ・ワーカー)は、「求められる人材」にはなれても、「活躍する人材」になることは保証されていない。
『プロフェッショナル進化論 「個人シンクタンク」の時代が始まる』p44
「求められる人材」と「活躍する人材」はどう違うのか。
「求められる人材」とは、文字通り「人材市場において、ニーズがある人材」のこと。
これに対して、「活躍する人材」とは、「職場や仕事において、リーダーシップを発揮する人材」のことである。(同上、p41)
「ニーズがあるだけでもいいじゃないか」と感じられるかもしれません。もちろん、わざわざ「求められない人材」になりたい人はいないでしょう。ただ、「人材市場のニーズ」を追ってばかりいると、いつしかそれが目的と化すリスクがあります。我々は人材市場のニーズを満たすためだけに働いているわけではない。
先日、ある先輩と仕事をご一緒させていただきました。大変お忙しいご様子にも関わらず「仕事をいただけてありがたい」とおっしゃっていました。しかし先輩は、ただの「求められる人材」ではありません。
自分が重要と感じ、リスクを取って世に問うた、
その提言に価値を認めて仕事をくださった方がいて、ありがたい。
その意味でおっしゃっていたからです。
キャリアの方向性を考えるときには、右の図が役に立ちます。自分の情熱を注げること(Passion)、能力を発揮できること(Skill)、社会から価値を認めてもらえること(Value)をすべて追求しようということです。
PassionとSkillだけでは、「独り相撲」。
PassionとValueだけでは、「空回り」。
ValueとSkillだけでは、「不幸」。
先輩は、そのPassionとSkillにValueを認められ、仕事として結実しました。その姿を見ていて、自分にはSkillも足りなければValueを真剣に考えてもいないと、反省させられました。