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コンセプトノート

173. 「参加型社会」で必要になる「自分を表現する」スキル

前回は、Economist誌の記事を引きつつ、

「自分を表現する」ことが、個人の生活スキルとしても職業人の職業スキルとしても、これまで以上に求められるようになっていく。

という仮説を立ててみました。今回はその続きとして、「自分を表現する」とはどういうことか、コツはあるかを考えてみます。

■自己表現の3要素

自己表現のスキルといっても大変幅が広いですから、わたしのささやかな経験から、大きく3つの分野を定義してみたいと思います。

1.表現すべき自分を見つける

何もしなくても自分はここにいるわけですから、あらためて「表現すべき自分」を自覚するというのはおかしな表現かもしれません。しかし、自分が何をどう感じているかを自覚するのは意外に難しいもの。何を見聞きしても「ふーん…」で過ごしていては、いざ表現の機会が与えられても、表現するものがありません。

個人的には、生活であれ仕事であれ、多くの「!」や「?」を持ち込むことが自己表現のスキルを高める第一歩だと思います。つまり「ハッ!」とする発見や「なぜ?」「それで?」という疑問を大事にして、なぜそう感じたのか、そこから何が言えるのかを考えてみるということです。

2.それを表現する手段を持つ

文章・絵/スライド・音声・プラグラムなど、最終的なアウトプットを出す手段を持ち、スキルを高めるということ。ここは解説不要ですね。

3.それを表現する勇気を持つ

「情報は発信する人の元に集まる」と言いますが、そのメリットを受けるためにはまず発信しなければなりません。

自分の表現したいことが掴めても、それを実際に外に出せるか。ここにも高いハードルがあります。「大した意見じゃないから」「批判が怖いから」など、表現しないで済ませる理由はいくらでもあります。
残念ながら、実際その通りかもしれません。それでもなお、そのようなリスクを取って「それを表現する勇気」を持てるか。これは一つのスキルであり、トレーニングによって高められるものだと考えています。
(参考)
「勇気というスキル」
「勇気というスキル(2)」

■実践編:blogで練習

何ごとも、あまり考え込んでしまうとハードルが高くなってしまいますので、「とにかく始めてみる」ための指針を紹介します。ちょうど前回引用した記事の関連記事として、“Blogs as leading indicators”というインタビューがありました。この中で、Technoratiというblogの検索エンジンを提供している企業のCEO(David Sifry)が、Incoming links(自分のblogへのリンク)を増やすにはどうすればよいかについて、3つのコツを語っていました。

1.正直であれ (Be Honest)

自分の言葉で、自分の考えを書く。あなたがCEOであっても、自分で書く。広報部門に代筆させるのはNG。

2.多弁であれ (Be Prolific)

自分が興味を持っているテーマについて、ある程度の頻度で情報発信を続ける。

3.リンクせよ (Link Prolifically)

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