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コンセプトノート

156. 「ちょいヒマ」も強みのうち

自分の強みは、他人が認めてくれて初めて強みになる

@IT自分戦略研究所というサイトに、「自分戦略を考えるヒント」という
コラムを、ほぼ毎月寄稿しています。先日は、
「強みの上に自らを築け」
というドラッカーの言葉を引いて、「強み」をテーマに書きました。
(公開されたらまたお知らせします)

自分の「強み」は、他人が認めてくれて初めて強みになります。
知識や専門性など、自分で伸ばせる強みもありますが、
年齢や性別など、自分ではコントロールしがたい要素も、
強みや弱みを構成します。

強みを伸ばすというと、資格を取ったりスクールで学んだりと
いうところに目が行きます。キャリアや転職の相談を受ける中でも

「○○に職種を変えたいのですが、この資格が必要でしょうか?」

というご質問は少なくありません。

「……のご経験は間接的に役に立つのではないですか?」
「いやいや、そんなに甘くないと思いますよ」

たしかに転職を甘く見るべきではありません。しかし一度
「他人がそうと認めてくれさえすれば、それは自分の強みである」
という立場からじっくり考えてみると、意外な
自分の強みを掘り出すことができるかもしれません。

「ちょいヒマ」も強みのうち

そんな視点から考えて、わたしが強みにしたいと願い、
自己研鑽を積んでいることをひとつご紹介しましょう。それは、
「知人から、堀内は時間の融通が利きそうだと思ってもらっている」
こと。言い換えれば、
「忙しそうに見えても、ちょっとヒマな時期もあるらしい」と思われること。

「ちょいヒマ」が強み?わたしの場合はそうだと考えています。

(わたしが定義するところの)面白事業に出会う確率を高めるためには、
自分で動き回ることはもちろん、知り合いの方が声を掛けてくださる
機会を増やす必要があります。

「相談をする相手を選ぶ」という行動を、
自分が相談する立場で考えてみると…

1.興味を持ってくれそう
 ・現在のビジネスとの関係で興味を持ってくれそう
 ・あまり関係ないが、以前に当該分野に興味があると聞いた
2.かつ、相談するに値する
 ・知識がありそう
 ・人脈がありそう
3.かつ、実際に相談に乗ってくれそう
 ・腰が軽そう、でも口は硬そう
 ・時間がありそう

こんな感じです。上記の観点からすると、
人に会うごとに「忙しい忙しい…」と言って回ることは、
機会損失を作って回っているのと同じです。

面白事業の相談を受けやすくするためには、まず
1. 事業ドメインと興味を明確にし、周知しておく
2. 実績や研究成果についてはきちんとアピールしておく
ことが必要です。そのうえで、

3. 「ちょいヒマ」状態を演出する

こと。誰もが時間欠乏症で、時間こそが最も貴重な資源であると
考えられている現在、「時間がある」(というイメージ)は「強み」に
なると考えています。

※これはある種のスキルであり、まじめに考えてみたいと
最近思うようになりました。
・「ちょいヒマ」で、脱「イノベーションのジレンマ」
・「ちょいヒマ」オヤジの仕事開拓術
などと題して、また書いてみたいと思います。

意外な強みを探してみよう

「ちょいヒマ」は、必ずしも皆さんの強みにはならないでしょう。
この例で示したかったのは、職業スキルを高めることだけが
「強み」を伸ばすことではないということです。

「他人がそうと認めてくれさえすれば、それは自分の強みである」

という観点で自分の仕事を振り返ったとき、
ご自分の強みは何だと思われますか?あまりマジメに考えず、
特定の地方の出身だとか、ちょっと有名人の家系であるとか、
ラクして強みに転じられそうなものを挙げてみると面白いと思います。