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コンセプトノート

241. 「ただ忙しいだけ」状態に陥る3つの思い込み

リーダーシップの旅 見えないものを見る』という本には、「アクティブ・ノンアクション」という言葉が出てきます。

毎日を多忙に過ごしているにもかかわらず、本当に必要で意義があり、真の充足感をもたらしてくれる何かについては、まったく達成できていない状態。行動しているように見えて(アクティブ)、実はなんの行動もしていない(ノンアクション)という危険な落とし穴だ。

この「アクティブ・ノンアクション」は、スマントラ・ゴシャールという経営学者が使った言葉。氏は著書『意志力革命 目的達成への行動プログラム』において、「ノンアクションの三つの罠」を定義しています。

「圧倒される要求、耐えられない制約、模索しない選択肢」というのがそれなのですが、これだけでは何だかよく分かりませんよね。そこで原文を調べ、本の内容を汲んで訳してみました。

  1. 「やらなければいけないことが多すぎる」
  2. 「変えようのない制約が数多く存在する」
  3. 「どんなに考えても、これ以外の選択肢はない」

「ただ忙しいだけ」状態に陥る3つの思い込み*ListFreak

3つの思い込みそれぞれに対して、4つの処方箋が提示されています。詳細は書籍に譲るとして、印象的だったところだけ引用します。

 ノンアクションの罠を克服することのできるマネジャーはみな、自分の仕事と職場環境を積極的にコントロールしている。我々の調査では、目的意識を持って行動をとるマネジャーには、ある決定的な資質が共通して見られることが判明した。それは、決められた職務規定の範囲内で仕事をしているものは誰もいないということである。

(p129、太字は引用者による)

決められた職務規定の範囲内で仕事をしていると、ノンアクションの罠に陥ることは避けられない。なんという結論でしょうか。

言い換えれば、人の言いなりになっている限りは「ただ忙しいだけ」状態から脱することはない、と理解しました。必要なのは、自分なりの目的意識を持ち、それに近づくための選択肢を創り出そうとする、意志の力。