雑誌で、経済評論家の末永 徹氏のインタビューを見かけました。現在の金融危機を踏まえて若手社会人にエールを贈るといった体裁の記事です。経済はどうあれ「きちんと生きる」人は必ず生き残れるのだから悲観的になり過ぎるな、という内容でした。
こう要約してしまうとありきたりな話ですし、わたしは「こういう人は生き残れる」という論理には反発を感じてしまいます。我々は生き残るために生きるわけではないし、そういう社会を次世代に渡したいわけでもないはず。
とはいえ、いくつか印象的な言葉があって、考える材料をいただきました。
能力がありきちんとしている人はどんな世の中になっても求められる。「人の役に立つ」「人を喜ばせられる」というのは最強のスキルだと思う。
― 日経ビジネス Associe(アソシエ) 2008/11/18号
たしかにその通りですね。役に立ちたいという「マインド」を持つのは、とても重要。ただ「役に立つ」かどうかは相手が決めることですので、「人の役に立つ」ことをスキルと呼ぶのは難しい。自分で磨き得るスキルは、その前提となっている「能力があり」「きちんとしている」人になる、という部分でしょう。
特に「きちんとしている」人であるということ。辞書を引いてみると「きちんと」とはこんな状態です:
(1)乱れなく。整って。
(2)過不足なく、正確に。
― 広辞苑 第四版
簡単そうで難しいですね。能力の方は磨くのみですが、「きちんと」は人格とか生活態度とかが反映されてしまいます。自分がどれほど「きちんと」できているかとチェックしてみると、穴だらけで恥ずかしい。年末も近いので、反省がてら振り返りのためのチェックリストを作ってみることにしました。
- 約束を、きちんと守っているか。
- 仕事を、きちんとやり遂げているか。
- 責任を、きちんと果たしているか。
- 機会を、きちんと生かしているか。
- 目的を、きちんと掲げているか。
- 支援に、きちんと感謝しているか。
- ご恩に、きちんと報いているか。
働きぶりを振り返る、7つの「きちんと」リスト – *ListFreak