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コンセプトノート

274. 決断を促す問い掛けの言葉を練る

問題解決の研修などで、しばしば
「なぜ(Why)を5回」の前に「どこ(Where)を30回」繰り返せ
という言葉を引用します。

「問題の原因を追及する前に問題個所を特定せよ」と言葉で言うのは簡単です。しかし訓練を積んだ問題解決者であっても、原因の推測を急ぎたくなる誘惑に勝つのは容易ではありません。

ところが「『なぜ』でなく『どこ』と問う」と問いの言葉づかいを限定するだけで、見違えるような効果があります。以前のノートで紹介した”Wisdom Access Question“(WhyでなくWhatで問う)も、言葉づかいに注目した問いの形式です。

要するに、問い掛ける言葉の小さな違いが、考える方向性を大きく左右するのです。とりわけ会話を運んだり、話を聞きながら決めるような時間のない状況では、問い掛ける言葉を選ぶことが重要になります。

どのような言葉で問い掛けるべきか。上で紹介したようなコツはあれど、どんな言葉がどんなレバーとして働くかは、一人ひとり違うものでしょう。自分なりの問い掛けのリストを、いろいろ試しながら練っていくのがよさそうです。