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コンセプトノート

181. 個人的に大きな決断をするための、いくつかの問い

チャレンジすべきなのか、留まるべきなのか、よく分からない。
どちらにすべきかはなんとなく分かっていても、実行に移せない。

今週で4歳になった起-動線が一貫してテーマに掲げているのは、主に上記のような、(割と大きな)チャレンジにおける「よい意志決定」のあり方、です。

『「自分ナビ」作成プログラム』はその支援ツールに他なりませんが、その補強ツールとして、決断し実行に移す、つまり「踏ん切りを付ける」ための効果的な問いをいくつか考えてみたいと思います。

見えない「流れ」が踏ん切りを妨げる

実行力不全』は、企業における知識と行動のギャップ、つまり「やるべきと分かっていても実行できない」状況について分析した本です。

組織ならではの問題もありますが、個人についてもよく当てはまるなと感じるものがたくさんありました。
例えば「前例が思考を妨げる」ということ。変化に対して抵抗を感じる原因として、「一貫性」と「社会的証明」という2つの心理的要因を挙げています(書評に、すこし詳しく書きました)。これらの言葉は、『影響力の武器』に詳しいのですが、簡単に言えばこういうことです。

一貫性とは、自分の考えや行動を一貫性あるものとしたい、という心理。
社会的証明とは、常識・成功事例・権威に倣っておきたい、という心理。

言い換えれば、人間は「内なる歴史(自分)」と「外なる歴史(世の中)」という流れの中に浮かんでおり、これらの流れに逆らって泳ぐには大きなエネルギーが要る、ということでしょうか。

「正解」のない選択

さらに『「決定的瞬間」の思考法』では、『「善」か「善」かの選択』、例えば利益と倫理が両立しないような選択について研究しています。
この書籍で提案している、『視点の違った複数の問いを自分に投げかけることで、現実的かつ深い考慮ができるようになる』という発想は、奇しくも『「自分ナビ」作成プログラム』(全方位チェック)とよく似ています。

「踏み切る」ための、いくつかの問い

上記を考え合わせると、「踏み切る」ためには
・「流れ」の外から自分を眺められるような質問を、
・複数の視点から投げかけてみる
のがよさそうです。

例えば、
・完全に合理的な人は、どう決断するだろうか?

・80歳になった自分が過去を振り返ったとき、この決断をどう思うか?
(「後悔を最小化するという理論」参照)

・あと3年で死ぬとしたら、どのような決断になるか?
(「あと3年で死ぬ。「第二の人生」はない。」参照)

・(尊敬する人の名前)なら、どう決断するだろうか?
(『「決定的瞬間」の思考法』参照)

・(尊敬を失いたくない人の名前)に自分の決断が間接的に伝えられたとき、この決断をどう見るだろうか?

(※会員の方は「全方位チェック」のところで、こういった質問でマスを埋めてみるとよいと思います)