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コンセプトノート

123. がんばろうという文化

阪神大震災があったのは10年前。米ニューズウィーク誌は、「この悲劇から学ぶこと」と題した特集を組みました。その前年にロサンゼルス大地震があった米国は、地震国である日本から教訓を得ようとしていたのです。

10年前のその号を振り返った小さなコラムが、今年の同誌の日本版に掲載されていました。興味深かったのは、日本には「頑張ろうという文化」があると指摘しているくだり。

もっとも貴重な教訓は「日本の地震対策は万全ではなかった」ということだ。
 それでもニューズウィークは「日本には復興の歴史があり、いま同じ課題に直面している。他の文化圏では不安感の広がりは退廃ムードにつながりやすい。だが日本人は天災に襲われると、もっと頑張ろうと考える」と書いた。
(『「耐震神話」が崩れ去った日』、ニューズウィーク日本版 2005/1/19号)

「頑張る」文化は、一部では高い自殺率や「うつ」な人の多さにつながる因子でもあるでしょう。だから単純に、頑張ろう頑張ろうが良いとは言えません。

そう前置きをした上でですが、「我々には、がんばろうという文化がある」と考えると、なんとなく勇気が出てくる気がします。

そういえば今季、プロ野球のオリックスは再び「がんばろう神戸」のワッペンを付けるそうですね。