先日、1日のうちに対照的な経験をしました。
まず、起-動線ランチをご一緒したAさん。奥様の年齢などを考えるとそろそろ子供のことを考えたい、そうなるといまの忙しい仕事をずっと続けるのはどうか、そんなことを漠然と考えていらっしゃるご様子でした。
ランチはランチですから雑談に終始したんですが、「いまの会社に就職するときに抱いていた期待」に話が及びました。会社に入る前は、実体が分からないぶんピュアに仕事の大義をとらえています。この会社はこんな形で社会の役に立っている、その中で自分はこういう貢献をしたい、といった、どことなく青臭い期待を持つものです。
でも青臭いから間違っているかというとそうでもない。5年10年忙しく働いて、それでも会社を辞めない理由を考えてみると、どこかに、自分なりに見出している仕事の大義みたいなものがある。自分はそれをすっかり意識の下に押し込んでいた。転職を考える前にもう一度その辺りをレビューしよう。そうやって自分を整理されていたAさん(もともと自立的な方なのです)の話を聞きながら、この話は「過去の自分に元気をもらう」というタイトルでコンセプトノートにまとめさせてください、なんて話していました。
同じ日の夜、お世話になっているBさんのところに遊びに行きました。Bさんはいわゆる「士」業の方で商売は大忙し、いまホームページで集客して云々ということは必要ない方なのですが、持っていないとこのさきチャンスを逃すかも、という、半ば必要悪(?)としてのホームページ作りの相談でした。
Webにもかなり懐疑的で、ホームページは出すけどメール相談は受け付けたくないとか、いろいろ条件が付きました。ただ話をうかがっているうちに、自分がやりたい案件を見つけるために全国区でアピールしたいとか、今後10年くらいで業界は大きく変るから、自分はこちらの方向に賭けているんだとか、大いに盛り上がって終わりました。
そして別れ際に「久しぶりに方向性の話をしました!」と言われて、ハッとするものがありました。いつも相談に乗る「センセイ」仕事ですから、一日中人の話を聞いていらっしゃるわけです。自営業ですから相談相手もなかなかいないし、しかもすごく忙しい。ホームページ作りという話題は、自分の仕事のこれからに思いを巡らせるよいきっかけだったのでしょう。
Bさんは、言ってみれば未来の自分から元気をもらったのだと思います。
いまをいきるというノートを書きましたが、いまに没入するためにも、どこから来てどこへ向かおうとしているのか、ときどき高い視点から見直してみるといいらしい、と教わった一日でした。