最近紹介したA.H.マズローの『完全なる経営』から少し引用します。マズローが「人間をある体系に当てはめることは、その人間の真実の姿を把握するよりも容易なのである」と言ったことに関する、彼の理解者のコメントです。「自分ナビ」作成プログラムが「あなたは何タイプ」式の設問を避けてきた理由が簡潔にまとめられていたので、これは引用しておかねばなりません:
たとえば、マイヤース・ブリッグス・テストでいえばINTPだとかENTJという具合に人間をタイプ分けしますね。しかし、これは人間を制限することです。自分自身や同僚、あるいはチームメンバーを分類するという行為は、人間の創造的能力、再チャレンジし、再び創造的に行動する能力を軽視することにほかなりません。
タイプ分けが役に立たないということではありません。他人と比較して、ある切り口で自分を客観的に評価したら偏差値的にどこに位置しているのかを知ること自体は有用だと思います。
しかし何かに迷っているとき、例えば就職・転職のときに「適性検査」といってタイプ分けだけするのは、これは片手落ちだと思うのです。
適性の有無と人生の充実度は必ずしも一致しません。そういうテストの前に、適性検査の結果がどうあれ自分のやりたいことはこれなんだ、という位の気持ちの整理があってしかるべきで、やりたいことが分からないから適性検査を受けてみるというのは危険です。
実際、好きなことに適性がないと言われるのはショックなことです。オレ様を勝手に括るな!くらいの気概を持っておかないと、まさに偏差値に人生曲げられてしまいかねません。
起-動線において自分ナビの作成が「入り口」であると言っている意味はそこにあります。ニーズがあれば適性診断やタイプ分けのサービスを(専門の業者と提携して)提供するつもりですが、そういうサービスにお金を払う前に、自分の(現時点での)ポリシーを作っておいて欲しいと思っています。
※ 「自分ナビ」作成プログラムは提供を終了しています