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問題がモンダイなのだ


ミニレビュー

「問題」との付き合い方についてあれこれ考えてみせてくれる本。冒頭で提示されるのはこんな問題です:
『Aさんが好きでたまらない。でもAさんが想いを寄せているのはBさんだった。このやるせない気持ちをどうしたらよいだろうか?』
著者らは、「問題」の共通点を敢えて探るならば、「向こうからやってくる」という性質があると言います。わたしは、ここのところ「売上が目標に達しない」「社員の自発性が低い」といった、あるべき姿を定義して自分でつくり出す類の問題とばかり付き合っていたので、ちょっとハッとさせられました。

そのほか心に残ったのは、問題の解決を解答と解消に分けて論じていくくだり。問題は、それに解答を与えるするばかりでなく解消する、つまり問題を問題と見なさないようにすることもできます。ここまでは「まあ、そうだな」だったのですが、解消は、ほんとうに消しさるというよりは、新しい問題へのつくりかえなのだという説明に、またハッとさせられました。

軽みの演出がすこし鼻につく人もいるかもしれませんが、読みやすく面白い本でした。