ミニレビュー
引用:
(引用者追加:ファンクショナル・アプローチとは)もともとは1947年にアメリカのGE社で誕生し、日米の製造業を中心に、VA(Value Analysis)あるいはVE(Value Engineering)という方法論として広まったものです。そして、60年以上もたった今でも、使われ続けている思考法です。(「おわりに」)
ファンクショナル・アプローチとは、「すべてのカタチにはファンクションがある」という考えに立ちかえり、カタチで見て、カタチで考えるのではなく、ファンクションで見て、ファンクションで考えるものです。(p22)
本書はファンクショナル・アプローチという手法の解説ではなく事例集として編まれています。著者は点字ブロックのような街中にあるモノから「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)のような目に見えないものまで、さまざまな事例を挙げ、手段と目的の関係をていねいに考えていきます。
目的−手段のロジックツリーを、この流派ではFAST(Functional Analysis System Technique)ダイアグラムと呼びます。手段の観察 → 機能の洗い出し → 目的を遡りながらFASTダイアグラムを生成 → 目的と手段の関係を考察、といった問題解決のアプローチを、身近な事例で繰り返し紹介してくれます。