ミニレビュー
●リスク、リスペクト、リーズナブル
村上龍氏と伊藤穣一氏の対談。気になったキーワードでまとめてみました。
リスクについて
引用:
伊藤 今までは、きちんと言われたことをやっていればお金がもらえた時代だったけれど、これからは言われたことをきちんとやっても、手にするお金がだんだんと減っていくようになる。リスクをとらないことが一番ラクだったのに、それではやっていけない時代になってきた。(p56)
リスペクトについて
引用:
伊藤 (略)少なくともアメリカでは、いくら偉くても、リスペクトされない人間というのは、みんなつぶれていってしまう。村上さんが日本人の本音と建前の問題を「利害」というキーワードで話してくれたけど、建前では尊敬しているようなことを言っていても、そこにリスペクトがない。(p123)
村上 今までは、偉いとか偉そうにすることのインセンティブが相当高かったと思う。(略)いくら偉そうにさせるから頑張ってくださいと言っても、もう誰もやる気にならない。偉そうにする人は本当は偉くないとみんな気づき始めたからね。(p135)
リーズナブルであること(合理性)について
引用:
村上 (略)これから経済合理性は重要なファクターになっていく。文脈は同じでも、主義主張が違えば、最初から相手の話を聞かない、バイアスをかけて曲解する人がたくさんいるからね。「あいつは右翼だ」「あいつは左翼だ」「あいつは環境主義者だ」って、決めつけて、そのあとは議論が成立しないということは今でもよくある。
そういうときに合理性はまだ有効かもしれない。(p190)