カテゴリー
資料

虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ

  • タイトル:虚妄の成果主義
  • 著者:高橋 伸夫(著)
  • 出版社:日経BP
  • 出版日:2004-01-17

ミニレビュー

2004年によく売れた本です。ある経営者の方から推薦されて読みました。

要旨にあたる部分を抜き書きすると:

引用:

 この本の理論的な主張は過激なまでに明快である。金銭的報酬による動機づけは単なる迷信にすぎず、仕事の内容による動機づけこそが、内発的動機づけの理論の指し示すところであり、次の仕事の内容で報いる日本型の人事システムは、それに合致したものであった。そして、賃金制度は従業員が生活の不安を感じることなく、仕事に打ち込めるような環境を作り出すために設計されるべきであり、「日本型年功制」はそのために生まれたものだった。

この本を推薦してくれた経営者は70歳過ぎの方。自分の頃は目の前の仕事をがむしゃらにやっていればよかったのでシンプルだった、今の人は大変だとおっしゃっていました。

しかし同時に、羨ましくもあると、おっしゃっていました。
本でも指摘されていますが、日本では、年功制であっても横並びではなく選抜機能は働いていました。ただ、選抜されなかった人の再チャレンジが難しい。かといって転職も難しい。

個人的には、年功制の企業に入って生活の不安を減じてもらおうという気があまりない(むしろ生命力が弱まりそうでイヤかも)ので、よく共感できたというわけにはいきませんでした。ただ「次の仕事の内容で報いる」というのはいい表現ですね。

とにかく色々考えさせてくれた本です。