ミニレビュー
古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスのエピグラム(警句)から創造のヒントを得よう、という趣向。30のエピグラムに、それらをどう解釈して発想に活かせるかといったヒントが添えられています。
ちょっと意地悪い感想ですが、ヘラクレイトスに限らず、もっともらしい警句なら何でも発想のヒントになりそうな気がします。たとえば、あなたの抱えている問題が何であれ
「万物流転。すべては移り変わっていく」
と言われると、何らかの教訓は引き出せてしまいますよね。
自分を伸ばすというよりは楽しみに読むという感じかな、ということでこのカテゴリに。
ところで、今週久しぶりにお会いしたohashiさんは某企業で勉強会のファシリテータをやっています。
自らの役割についてohashiさんは「『一匹だけ違う魚』です。」と言っていました。それは何のことかと聞いてみてとても面白かったのですが、帰りの電車の中で読んだこの本にも、偶然同じことが書いてありました。
引用:
魚の冷凍加工業者は、「風味に欠ける」という理由から新商品の売れ行きが伸びず困っていました。鮮度を持たせるために魚を加工直前まで水槽に放しておくなどのあらゆることを試みましたが、何ら効果はありませんでした。そのとき、ひとつのアイディアがひらめきました。「水槽の中に捕食魚を入れてみたらどうだろう。きっと魚の鮮度が保てるはずだ」。このアイディアは効を奏しました。魚は捕食魚から逃げるために常に泳ぎ続け、それによって体力が維持され、身がしまって美味しくなったのです。
「僕は皆さんの発想の鮮度を保つ捕食魚です」と自己紹介されているかどうかは知りませんが、なかなか素敵な定義です。
(参考)
“Creative Think”(著者のWebサイト)