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パラダイムの魔力―成功を約束する創造的未来の発見法

  • タイトル:パラダイムの魔力
  • 著者:ジョエル バーカー(著)、内田 和成(序文)(その他)、仁平 和夫(翻訳)
  • 出版社:日経BP
  • 出版日:1995-04-11

ミニレビュー

パラダイムとはなにか。著者が紹介していた「思考の枠組みであり……現実のいくつかの面を理解し説明する体系である」(『アクエリアン革命』)というのが、わたしには分かりやすかったのですが、著者自身の定義はもう少し込み入っています。

引用:

 

 パラダイムとは、ルールと規範であり(成文化されている必要はない)、(1)境界を明確にし、(2)成功するために、境界内でどう行動すればよいかを教えてくれるものである。

パラダイム・シフトはいつ、どんな人によって起こされて、それがどう広がっていくのか。渦中にいる人にはどんな影響を与えるのか。「パラダイムが変わる」という曖昧な事象のメカニズムを解説する本です。

二十世紀のもっとも重要なパラダイム・シフトとは

さて、何だと思いますか?ヒントは、(1)著者は米国在住、(2)この本の米国での刊行は1992年、(3)当時、米国がパラダイムの変化に気づかなかったがゆえに被った、もっとも大きな痛手と考えられていたものは…?

の3つ。

回答はTQC(総合的品質管理)。製造業のパラダイムがどう変わったかについて詳しく論じていますが、大きな点は
・生産能力主導から顧客主導への変化
・管理者による作業管理から従業員自身による自己管理への変化
の2点。『TQCは、職場に魂を呼び戻した』とまで書いています。

人間は世界を創造しない

個人的には下の言葉が気に入りました。

引用:

 

 わたしが自信をもって言えることがあるとすれば、こうである。「人間は世界を創造しない。わたしたちのまわりにある世界は、発見され、理解されるのを待っている」

すべては、自分がどう捉えるか、どう理解するかにかかっているというわけですね。

あともう一つ、気に入った言葉を挙げておきます。

・将来のことをどれだけ研究しても、予想はつねに裏切られる。しかし、茫然とすることはなくなる。(ケネス・ボールディング)