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問題解決と意思決定―「ケプナー・トリゴーの思考技術」


ミニレビュー

目次を読んで、本の構成を理解してから本文に入ることはいつも有効なやり方です。物語やエッセイ集では必要ないかもしれませんが、ビジネス書の類では、目次の出来が本全体の出来を左右するといってもいいのではないでしょうか。

この本は目次が大変魅力的だったので大いに期待して読んでいたのですが、なかなか掴みどころがありません。本の前半ではクリティカル・シンキングプロセスを下記の4つのプロセスと定義して順に解説し、
・ 状況把握
・ 問題分析
・ 決定分析
・ 潜在的問題・潜在的好機分析
後半ではトピック(例えば、「意思決定における直観と理性」)ごとに書かれています。しかし、なにについて書かれていたか、ここに要約しようと思っているのですがなかなか筆が進みません(笑)。

なぜだろう…と考えてみました。この手の本は伝えたい方法論なりメッセージが核にあり、本文はもちろん事例やコラムにいたるまで、その「伝えたいこと」をよく理解してもらうために配されます。あんまり多くのことを書かれても覚えられないので、シンプルなメッセージを手を変え品を変え伝えてくれる本のほうが「学んだ」感が高かったりします。

この本はKT法(ケプナー・トリゴー法)という意思決定の方法論の解説本ではなく、「意思決定ネタが好きな人のためのエッセイ集・事例集」として読むのが正しい期待値の置き方のようです。

本同様、掴みどころの無い書評となってしまいました(笑)。Amazonの書評も参考にしてください。