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エンデの警鐘「地域通貨の希望と銀行の未来」


ミニレビュー

『エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」』の続編といっていいでしょう。世界中で試みられているオルタナティブな経済システム ―地域通貨や無利子の銀行― の現状を知ることが出来ます。

「経済」というシステムが不完全であると言われても、個人の力ではどうしようもないと感じてしまいますが、一方でいろいろ工夫しながら新しい仕組みを試してみようという挑戦者たちもいて、その心意気を頼もしく思います。特に既存のビジネスや市場をうまく巻き込むことを志向しているケースはなかなか痛快。

例えばアメリカのミネソタ州ミネアポリス市で試みられているというThe Community HeroCardという仕組み。スキームがちょっと複雑なのですが、こんな効果を狙っています。

引用:

 

要するに、市民はカード会員になって商店で買い物をするだけで、次に買い物で使えるドルを得ることができ、さらにボランティアをすることでそれを倍増させることができるということなのです。そしてNPOはこれまで無償であった地域活動の貢献者に報酬を与えることができるようになったことで、活動を奨励することができ、商店はコミットメントという形で地域貢献を果たせると同時に、顧客を増やすことができるのです。

エッ?というような話でしょう。もちろんドルを刷ってるわけじゃなくて、原資は商店のコミットメントです。売上の一部が自動的にこのシステムに供出されています。

こうやって企業・NPO・個人のWin-win-winをデザインするスキルは、事業開発そのものですね。