ミニレビュー
人間はなぜ怒るのか。
引用:
怒りが起こるには、明確な発生原因があります。それは「無常」ということです。ブッダのもっとも根本的な発見が無常です。そして、その無常こそが怒りの原因なのです。
無常という概念は、仏教の世界ではこの世の中の原理みたいなものです。無常が怒りの原因ならば、世の中の一切が怒りの原因だということになってしまいます。
実にその通りである、というのが本書の教えです。怒りに対処するためには、まず怒りをこまかく観察する必要があります。観察するためには、どんな怒りを持ち得るかを知っておく必要があります。
引用:
どんな些細な怒りにもしっかりと気づいていくためには、まず怒りについてよく知る必要があります。心で湧き上がる感情が、「怒り」と知らなければ、気づくことはできません。
というわけで、ベストセラー『怒らないこと』の続編である本書では、怒りの細かい分類が示されています。見出しレベルになりますが、ここに引用します。
- 基本的な怒り(ドーサ):暗い気分・嫌な感じ
- 激怒(ヴェーラ):表出せずにはいられないほど高まった怒り
- 怨み(ウパナーハ):妄想によって自己増殖する怒り
- 軽視(マッカ):人の良いところを見ずに欠点を探す
- 張り合い(パラーサ):際限なく相手と戦う・つぶす
- 嫉妬(イッサー):人と比較し、自分にないものを理不尽に思う
- 物惜しみ(マッチャリヤ):自分の楽しみを他人にあげたくない
- 反抗心(ドゥッバチャ):かたくなで、人の言葉を聞き入れない
- 後悔(クックッチャ):過去の失敗を思い返す
- 異常な怒り(ビャーパーダ):原因のない、破壊的な怒り
十種類の怒り(仏教) – *ListFreak