ミニレビュー
当サイトでもミニ書評を載せ、プレゼント企画を実施した『なぜあの人だと話がまとまるのか?』。2004年1月の出版から7年を経て、改訂新版が登場しました。
「ファシリテーション」という言葉が普及した現在、あらためて「ファシリテーションって会議の進行法だけじゃないですよ」という立ち位置の本書が世に問われ直すのは意義あることですね。
その立ち位置は、タイトルが「話をまとめる技術」でなく「話がまとまる技術」となっているところからすでに明らかです。話がまとまっていくプロセスを俯瞰しつつ、そのプロセスを促すためにファシリテーターはどう「ある」べきか、どう「ふるまう」べきか。本書にはその心得が書かれています。
個人的に覚えておきたい言葉をいくつかピックアップしましたので、おすそわけいたします:
- 【3つのステップ】 「ゆるめる(明らめる) → 伸ばす → 縮める」のプロセスを意識する。どこにいるかで、とるべき行動が異なる。
- 【あきらめる(明らめる)】 物事の実現を断念することでなく、その難しさを受け入れ、明らかにすることで、自分自身を一種の開き直りの状態にする。話がまとまらない理由のひとつは、「あきらめ」が悪いこと。
- 【意図して意識しない】 「話がまとまった」状態を明確に意図する。「話をまとめる」ことを意識しすぎない。
- 【緊張構造】 ビジョンと現実を結びつけ、そこに生じる緊張構造を保ったときにダイナミックで独創的なエネルギーが生じる。
- 【信頼の方程式】 信頼=信用×親密÷心配 を高める。
- 【離見の見】 話をしながらも、相手の視点で自分が見えているような感覚。余計な力が抜け、自分を客観的に見られる状態をめざす。
「話がまとまる」ためのキーワード – *ListFreak
旧版から内容はおおむね変わっていません。しかし、横書きから縦書きへ、「だ・である」から「です・ます」へといった形式面での変化がありました。イラストもイラストレータのものに置き換わりました。総合的な読みやすさは、グッと増しています。
(プレゼント企画)
ニュース – プレゼント:『プロファシリテーターのどんな話もまとまる技術』
※著者より献本いただきました。ありがとうございます。