- タイトル:なぜ、この人は次々と「いいアイデア」が出せるのか―“儲け”を生み出す12の“アイデア工場”!
- 著者:ロバート サットン(著)、Sutton,Robert I.(原著)、誠一郎, 米倉(翻訳)
- 出版社:三笠書房
- 出版日:2002-12-01
ミニレビュー
イノベーションを起こす原則は3つ。
1. 今ある知識の違う使い方を見つける(increase variance in available knowledge)
2. 古いものをまったく別の視点から見る(see old things in new ways)
3. しがみついている過去と決別する(break from the past)
この3つの原則(のうち少なくとも1つ)を実地で応用するための「12の考え方」の紹介が本書の中心です。
例えば「呑み込みの悪い人を雇おう」。社内に存在する暗黙のルールによって発想が型にはまったものになることを防ぐために、「どうしてこの会社ではこうなんですか」という質問をしつこく発してくれる人材を企業内に入れよう、ということです。
この本を手に取った理由は、訳者の米倉誠一郎氏が「ヴジャデ」という言葉をこの本から引用していたから。
これは2番目の原則を説明するくだりで出てきました。
初めてにもかかわらず知っているような気がする「デジャヴ」という言葉は耳にされた方も多いと思うが、これに対して、何回も経験したことがあるのにまったく初めてのような気がすることをヴジャデという。
私は、この言葉を、ジェフ・ミラーの口から初めて聞いた。彼は、いくつかのヨットの大会で優勝した実績を持つヨットマンである。
ミラーいわく、「偉大なヨット乗りはヴジャデの精神を持っていて、これにより、古いものがまったく新しく見える」。そして、「だから、ヨット乗りというのは、レースのたびに必ず何かを発見し、ヨットというスポーツに退屈することがない」と主張する。
うーん、ミラーの言う「ヴジャデ」と「古いものをまったく別の視点から見る」との間には、何か飛躍があるような気がします…。でも、小噺のネタとしていいですね、この言葉。
> 著者による紹介サイト(第1章を読むことができます)