ミニレビュー
タイトルだけでなく、内容も変わっています。あたかも写真集のような体裁で、各々の写真には短い文章が添えられています。
たとえば表紙にイラスト化された写真。女性が財布からお金を出すために、手に持っていたであろうバッグを口にくわえています。
この写真に添えられた言葉は「動いているとき、両手を自由にする方法はいくつあるか」。
写真をよく見てみると、女性は肩掛けカバンも持っているし、大きなポケットがありそうなコートも着ています。それでもなお、両手を自由にするためにバッグを口にくわえています。考えてみると、肩掛けカバン・コート・財布、それぞれの作り手にとってヒントが得られそうなシーンであることに気がつきます。いや、口にくわえられているバッグのメーカにとっても、示唆が得られそうです。いっそ口にくわえて美味しい(あるいはいい香りのする)バッグなんてどうかな(笑)。
そんな感じで、どこにでもあるシーンを題材として、観察眼の鋭いデザイナーがどのように世の中を見ているのかが感じられる一冊。問いの立て方をいろいろと学べそうです。
(参考)
Flickr: IDEO’s Thoughtless Acts
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