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ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法


ミニレビュー

速読術の本(『あなたもいままでの10倍速く本が読める』)を読むついでに、速読術を使っていないであろう文筆業のプロのやり方も調べておきたいと思って手に取りました。文章を仕事にしている人ならではの小話や細かいノウハウなどがちりばめられていて、面白く読みました。

『まず何よりも「目的」をはっきりさせることです。』
というのは、『あなたもいままでの10倍速く本が読める』と同じですね。

目的(「何のために」読むか)をはっきりさせ、さらにその目的に対して「なぜその本を選んだのか」をもはっきりさせようと書いてあります。読む前にはなかなか分からないとしても、できる限り意識すべきだと。
なぜかといえば:

引用:

 

 「効率的に読む」場合にもっとも肝心なことは、本を選ぶという段階にあるからです。
 読む時間がいくら短縮できても、役に立たない本を読んでいたのではなにもならない。

…読書というのは、実は本を読む前から始まっているんですね。言われれば当たり前ですが、そういう意識で本読みをしていけば本を選ぶ目が養えそうですね。役立つ本選びのコツとして
・信用できる「評者」を見つける
・お気に入りの書店を見つける
も紹介されていました。

もう一点、「一冊の手帳に集約する」というやり方は先日読んだ『図解仕事ができる人のノート術』と同じです。ただしサイズは内ポケットに入る程度とありましたので、いわゆる「手帳」ですね。とにかく時系列に書き込んでいくそうです。ただし、スケジュールとアドレス帳はデジタルツールで管理。

独特だな、と思ったのは、抜書きを強く奨励していること。しかもタイプするのではなくペンで紙に書くことを奨めています。単なる情報収集ならタイプして写したりスキャンしてもいいわけですが、そこには違いがあるようです。

引用:

 

 でも、手書きで、抜書きをした方がいいのです。
 やはり、手を動かすというのは、生理的にキーボードと違う部分がある。

私は、原稿はかなり前からずっとワープロを使っていますが、抜書きは、一時期から手書きに戻しました。というのも、手で書き写していると、いろいろなことに気がつくのですね。脳が違った動き方をするのでしょうか。

 気がつくと同時に、いろいろな考えが湧いてきます。
 そこを抜書きすることで、自分が何を示そうとしているのか、語ろうとしているのか、ということが、はっきりした輪郭をもって運動を始めるのです。
 ですから、抜書きをすることは、実際の原稿を書く上での準備作業にも
なります。
 そこで考えたことが、原稿に直接反映しなくても、書いていく上での、さまざまな思考の触媒になってくれるのです。

ちょっと長めに抜書きしてみました。再度手書きで書いてみて、なにか手書きならではの気づきが生まれるかどうかを試してみようと思います 。

ちなみに続編が出ています。こちらはPCやデジタルツールの使いこなしを含め、第一弾出版からの三年間の進歩が語られている模様。
『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法 2』