ミニレビュー
およそ「意思決定」に関わることがらを網羅した、教科書のような辞書のような本。この分野では、まさに「ありそうでなかった」類の本ではないでしょうか。網羅性を示すため、ミニ書評ではあまりしないことですが、節レベルまでの目次を出版社の書籍情報ページから引用します。
※引用元にはもう一段下、項レベルまでの目次が載っています。
第?部 意思決定論の基礎
第1章 意思決定論と経営学
1.1 組織と管理の古典的理論
1.2 古典的理論から現代経営学へ
1.3 システムズ・アプローチと現代経営学
1.4 コンティンジェンシー・アプローチと現代経営学
1.5 現代経営学と意思決定論
第2章 意思決定─そのプロセスと要素
2.1 意思決定とは何か─その問題と構造
2.2 意思決定のプロセス
2.3 意思決定の構成要素と一般的モデル
2.4 意思決定の行動論的フレームワーク
第3章 意思決定の諸次元
3.1 意思決定者とその目標
3.2 効用と意思決定
3.3 集団の意思決定
3.4 情報・不確定性と意思決定
3.5 意思決定の型―定型的と非定型的
3.6 意思決定のクローズド・モデルとオープン・モデル
第?部意思決定論のアプローチ
第4章 経済学的アプローチ
4.1 企業の理論
4.2 企業の理論の批判と新展開
4.3 マネジリアル・エコノミックス
第5章 経営科学的アプローチ
5.1 モデルによるアプローチ
5.2 モデルのタイプと構造
5.3 配分モデル
5.4 在庫モデル
5.5 待ち行列モデル
5.6 動的最適化モデル
5.7 シミュレーション・モデル
第6章 決定理論的アプローチ
6.1 分析のフレームワーク
6.2 確定性の場合の意思決定
6.3 リスクの場合の意思決定
6.4 不確実性の場合の意思決定
6.5 決定原理と行動選択
第7章 デシジョン・トリーとべイジアン決定理論
7.1 デシジョン・トリー
7.2 自然の状態についての情報とその信頼性
7.3 情報によって変わる自然の状態の見通し
7.4 事前・事後分析と情報の価値
7.5 ベイジアンの決定理論の四つの側面,特徴と意義
第8章 システム分析的アプローチ
8.1 その背景と起源
8.2 意義と性格
8.3 分析の要素とプロセス
8.4 AHP─システム分析の一手法
第9章 行動科学的/組織科学的アプローチ
9.1 組織行動のシステム的把握
9.2 個人─パーソナリティと動機づけ
9.3 個人間関係と小集団
9.4 影響とリーダーシップ
第10章 戦略的意思決定へのアプローチ
10.1 企業の意思決定の意義と階層性
10.2 戦略的意思決定の特徴と意義
10.3 戦略的意思決定の構造とアプローチ
第11章 意思決定のための予測
11.1 予測の意義と予測作業のプロセス
11.2 予測の三つのタイプ
11.3 デルファイ法
11.4 クロス・インパクト法
11.5 シナリオ・ライティング
第12章 企業の社会的責任と意思決定
12.1 歴史的背景
12.2 社会的責任論の系譜
12.3 社会的責任確立の方向
難があるとすると、あまりに各論が並べられているので、構造的な理解が難しいところ。欲を言えば各章の連関が俯瞰的に理解できるような記述があれば、より理解しやすいと思います。