問題解決と意思決定のツールボックス―思考するマネジャーへの実践的強化書。

ミニレビュー

新規事業に取り組むべきか否かというレベルではなく、既にやると決まっている事業をマネージ（やりくり）していく方法についての実践書です。そういう意味ではプロジェクト管理の方法論に近いものがあります。

著者は思考・問題解決プロセスにフォーカスした研修などを手がけるケプナー・トリゴー社の出身で、その方法論自体は『問題解決と意思決定―「ケプナー・トリゴーの思考技術」』で紹介されたケプナー・トリゴー法（KT法）をベースにしています。
とても実践に重きを置いているところが特徴で、シンプルな9枚のワークシートを使用しながらKT法を用いたプロジェクトの進め方を解説しています。

訳者あとがきに『正直に言って決して「分かりやすい」ものではない（このことは著者も認めているが）。』とある通り、華やかさ・分かりやすさには欠けますが、とにかく真似して使えるワークブックが必要なマネジャーには有用な本だと思います。